4年間を振り返って(過去の卒業生はコースに所属)

原田梢吾さん(2021年卒業、地域プランニングコース)

 地域創造学類を選んだ理由は、自分が4年間何を勉強したいか考えた際、魅力的に映ったのが「まちづくり」だったからです。高校生の時から、書店の専門書コーナーで目に留まるのは、まちづくりに関するキーワードでした。また、同じまちづくりに関する書籍であっても社会学の書架や建築系の書架に分かれるように、専攻を選ぶ際も文理どちらかに偏った選択肢ばかりだったことが疑問でした。そんな時、地域創造学類では文理両方の領域を並行して勉強できると知りました。

 加えて、金沢という土地でまちづくりについて勉強できることも大きな決め手の一つです。伝統を大切にしながらも新たな文化・芸術を取り入れ、情緒あふれる景観と近代的な景観が共生する金沢という土地をテーマに、まちづくりに関して勉強や研究ができる金沢大学の環境が、非常に魅力的でした。

 入学後に感じた地域創造学類の良いところは、まちづくりに関するテーマが幅広く勉強できる点と、教授や先輩が作った土壌の恩恵が受けられる点です。この学類では、1つの学類にいながら、都市・交通・災害対策・政策・環境・福祉といった多様な分野に触れることができ、包括的に学びながら自分自身が極めたいテーマを探すことができます。専門科目の中には都市計画・交通計画のような理系の学類と共通の授業があり、副専攻も取得できました。また、印象に残っている授業は地域情報学や交通計画です。これらの授業からは「まちづくり」と「IT」が結びつくというそれまでの自分には無かったアイデアを得られました。この発想は卒業研究において「スマートシティ」をテーマとしたことや、進路としてIT業界に進んだことにつながっています。

 そして、地域創造学類には教授や先輩方が地域において築いた人脈や信頼があります。この学類では地域住民と関わる機会が多く、自分一人で地域に入り込み関係を築くよりも遥かに活動を進めやすく、より地域に密着した経験ができました。

 大学生活を振り返ってみると、自分の興味があること、やりたいことで1週間を埋めていました。本業の勉強では、まちづくりについて研究するかたわら、つづみというサークルで石川県の情報を発信するフリーペーパーを作ったり、自転車に乗って運動したいと思ったのでサイクリング部にも入ったし、仲間を集めて新しくキャンプのサークルを作って、北陸のキャンプ場をまわっていました。この中でも特に力を入れて活動していたつづみでは、団体が今後も存続できるよう、一部のメンバーに負荷が偏らないように属人化を改めて、組織の構造も変えました。

 金沢という豊かな文化が身近にあるまちで、大学生という多感な、人生で一番自由な時期を自分の興味の赴くままに過ごせた経験は大きな財産となりました。そのような密度の高い4年間だったため、金沢は18年間過ごした地元と並ぶ第二の故郷のような土地です。また、北陸は大学4年間で遊びつくすことができるスケールでした。周囲の同級生も、卒業する頃には北陸を満喫し切っていたと思います。

 まちづくりや都市について情熱をもって勉強をしたいと思っている人はもちろん、まちに関わるキーワードに興味はあるが具体的なイメージがない人にも地域創造学類はおすすめです。この学類では幅広くまちの構成要素に触れることができ、自分が専攻して掘り下げたいテーマを探すことができます。そして自分が探求するテーマについて集中できる環境と応援してくれる先生と同級生がいます。地域創造学類は、自分が極めたいテーマと出会い、先生や同級生と共に地域を見つめながら、地域に貢献できる学類です。

梁取紀之さん(2020年卒業、地域プランニングコース)

 地域創造学類を選んだ理由は、まちづくりと情報発信という2つの観点から研究することができるのではないかと思ったからです。この2つに関心を持った理由は、中高生徒会で学校を盛り上げる活動をする中で、コミュニティを盛り上げたいと感じ、その手段として情報発信を行い、自分の住んでいる地域に興味をもってもらうことが必要なのではないかと思ったからです。

 印象に残っている授業はまちづくりインターンシップと都市・交通論演習です。まちづくりインターンシップでは、テーマや調査内容、調査の仕方などを自分たちで決めて課題提起をまちの人たちに行いました。すでに形成されているコミュニティに「よそ者」として入ることにストレスを感じたり、どこまで踏み込んで意見すればいいのか悩んだりしました。また、時には夜遅くまでチームの人と作業することもありました。しかし、住民とコミュニケーションを交わしていくうちに打ち解けることができました。この経験は卒業論文を進めるうえでも役に立つことも多く、自分にとってプラスになりました。都市・交通論演習は海外に実際に赴き、その場所の調査を行い、その場所に長年居住しているかのように先生や他の参加者にその場所について説明するという授業でした。経験したことがないことばかりで、やりがいを感じました。また、日本と海外のまちづくりの違いを見ることができるという点でもよかったです。地域創造学類はこのようにフィールドワークで外に行く機会が多く、これはこの学類の魅力ではないかと思います。

 サークル活動では、金沢大学放送局web-KURS(ウェブクラス)の活動の一環で地域創造学類の学類紹介映像を作成したことが印象に残っています。金沢大学のオープンキャンパスで学類紹介映像を見て正直あまり惹かれず、「これを大学に入って作り直せたら最高だな」と感じていました。まさか本当にできるとは思っていなかったのでとても感慨深いです。その紹介映像を作るにあたり、県外も含め様々なところへ取材に行ったことも忘れられません。もう一つ、つづみという、石川の魅力を発信するフリーペーパーを作るサークルを仲間たちと一から立ち上げたのですが、その活動すべてが強く記憶に残っています。一年以上かけて何を発信するかを話し合い、計画を進めていたので第一号が完成して手元に来たときはやっと活動が始まったな、と思いとても嬉しかったのを覚えています。

 金沢で暮らしていて、まちが綺麗で景観が良いところが魅力的だなと感じていました。金沢駅には鼓門といったシンボリックなものがあるし、身近なところにも美術館や文化施設があります。これは地元の新潟にはない文化のまち、金沢ならではの良さだなと思います。また、イベントが一年を通してたくさんあるのも面白いです。まちの広場にみんなで集まってワイワイやっている雰囲気がすごく良くて好きです。

 地域創造学類を志願している人には、自分の今住んでいる地域について調べて関心をもってほしいなと思います。受験勉強ももちろん大事ですが、入学してからどういうことをやりたいのかということを見つける上でもまず自分の故郷について知ることが大事なんじゃないかなと思います。自分も地域創造学類を受験しようと思ったときに地元の歴史についていろいろと調べました。そのおかげで卒業論文を含め、入学後様々なことに活かすことができました。また、大学に行けば地域のことについてとことん調べられると思えばモチベーションにもなるし、受験勉強もきっと乗り越えられると思うので、まずは自分の地域について関心を持つことが大事だと思います。

大田健志さん(2015年卒業、福祉マネジメントコース)

石川県能美市下ノ江町出身
小松市立高等学校卒業
進路:石川県保険医協会(団体職員)

1.学類及び所属コースを選んだ理由

【2021年度入学者から社会福祉士国家試験受験資格は休止します。】

 私が、はじめて「福祉」の分野に興味を持ったのは中学生の頃です。当時、介護を必要としていた祖母のために、家族、医師、福祉専門職など様々な分野の方が一生懸命、身を粉にしてケアをしていました。そこで、福祉の大切さを感じたこと、それと同時に介護・支援をする人のケアがしたい、と考えるようになりました。高校生になり、「福祉」を学べる大学を調べていると、地元である金沢大学の地域創造学類に「福祉マネジメントコース」というコースがあることを知りました。「福祉マネジメントコース」では、福祉の専門職である「社会福祉士」の国家試験の受験資格を得ることもできること、そして、私が地元志向であったこともあり、この大学・コースに進学することを決めました。

2.どのような学生生活だったか

(1)授業、研究

 福祉マネジメントコースでは、「社会福祉総論」や「社会保障論」といった概念、制度を学ぶ以外にも、授業の中で実習や演習を行っています。私の場合は、病院や高齢者向け施設で実際に現場を見せて頂いたり、相談援助の技術を実践したりすることで、テキストだけでは理解が難しい医療や福祉の理念・歴史・制度を分かりやすく学ぶことができました。
 また、地域生活に関わる幅広い知識を学ぶことができることも特徴的です。「福祉」が取り上げる分野は、一つではなく「少子高齢化」「貧困」「雇用」など多岐にわたっています。そして、それはすべて私達の生活に大きく関わっているものであり、「地域」そのものです。いま、生活している「地域」を新たな視点でみることで、視野の広い「もの」見方を身につけることができます。
 もちろん、幅広く学ぶことと同時に、特に興味のある分野を専門的に研究することができます。卒業研究では「老いることを楽しめる社会づくり」というテーマで、何歳になっても不安なく楽しく生きることができる社会について取り組みました。そこでも、様々な視点から考察することで、はじめて見えてくる課題や解決策があることを学びました。

(2)ボランティア活動その他

 私が、学生生活の中で力を入れていたことの中にボランティア活動への参加があります。定期的に参加していた活動に、「学習支援ボランティア」というものがあります。これは金沢市の委託事業として、金沢市社会福祉協議会と金沢大学・星稜大学の学生が、生活保護受給家庭の中学生の子どもに勉強を教えるというものです。学力が全てではなく、家庭で色々な苦労を抱えた子どもたちにとっての「居場所」としての役割も担っており、定期的に交流イベントも行っています。そして、子どもたちと共に学習・活動する中で、子どもたちからも多くのことを学ぶことができました。
ほかにも、不定期でしたが、障害のある方の交流イベントにスタッフとして参加させて頂いて、実際に地域の人たちが抱える問題について学ぶ良い機会となりました。

3.今後の進路(就職/進学)を決める上で役立ったと感じること

(1)進路を考えるに当たっての決め手

 私が、この進路先に決めた理由は、「コースを選んだ理由」でも書きました「支援をする人のケア」ができる仕事であると考えたからです。はじめは、医療・介護現場での相談員の仕事を探していたのですが、たまたまゼミの先生から紹介して頂き、話をするうちに直接ケアをする現場の医者の方々や相談員の方々のサポートができる仕事に強く魅力を感じて、是非この職場で仕事をしていきたいと感じたことが一番の決め手です。

(2)就職活動において役立った経験

 私の場合、特に大きな試験はなく面接で採用が決まりましたが、その中で感じたことは、自分の意見を持つことの大切さです。大学生活では、日々の活動や講義の中で様々な人の考え方に触れることになります。ですが、それに振り回されるのではなく、時には受け入れて、時には批判しながら、自分自身の考えをしっかり作っていくことが大事だと思います。自信を持った考え方を貫くことは主張するときに大切で、周囲に信頼してもらえるようになります。だから、大学生活の中で、ひとつだけでも自分のはっきりとした考え方を持つことが大事になると思います。

4.就職活動中にやっておけば良かったと感じたこと

 私が、就職活動中にやっておけば良かったと感じたことは、情報を集めることです。一般の企業や公務員でもそうですが、特に「福祉」の仕事は専門職・専門機関の仕事が沢山あります。自分が就職したいと思う分野について、もっと実際に施設の見学や、専門職の方にお話を聞きにいけば、そこまで就職先に迷わなかったのかな、と思います。現場の実習、卒業研究、日々の講義でも様々な知識を得ることができますが、時間をみつけて個人的にそのような情報を集めることも、良い就職先をみつけるために必要だと感じました。

5.後輩に向けてのアドバイス

 後輩のみなさんには、大学生活の中で積極的にいろいろチャレンジして欲しいです。講義、サークル・部活動、そしてアルバイトなど、それぞれ忙しいかもしれないですが、もし何か面白そうなことがあれば、「忙しい」ということを理由にせず、やってみて欲しいと思います。やってみることで新たな発見もあると思います。だからこそ、自分で限界を決めないで、どんどん自分の世界を広げていって欲しいです。もちろん、無理だけはせず、体には気を付けてがんばってくださいね。

6.受験生(または、入学希望者)へのアドバイス

 大学では、専門的な学問ができると共に、全国様々なところから来た人たちと出会うことができます。多種多様な価値観の人たちと触れ合う中で、自分が本当にやりたいこと・夢は変わるかもしれません。だからこそ、将来に不安を持っている人でも、大学生活を楽しみながら自分のやりたいことをみつけていって欲しいです。
 そして、全国的にトップレベルの社会福祉を誇る金沢市をフィールドに持つこのコースだからこそ習得できる高い倫理観と人権感覚を養い、幅広い研究の中で柔軟に物事を捉えられる広い視野を身につけ、すべての人が楽しく生活を送ることができる地域づくりに携われる人材となることを、一緒に目指しましょう。受験勉強は大変だと思いますが、頑張った分、素敵な世界が待っていると思います。応援しています。

福畠佳奈さん(2015年卒業、地域プランニングコース)

1.学類及び所属コースを選んだ理由

 大学といえば専門知識を身に付ける場所というイメージで終わりがちですが、私は大学で幅広くいろんな知識を身に付けたいという思いを持って入学しました。そんな私にとって、法学や経済学といった既存の一つの学問領域だけでなく、それらを含む様々な学問領域から地域について広く学ぶことができる地域創造学類が魅力的だったため入学しました。入学前から地域活性に興味があったのですが、1年間勉強してみて全国各地で創意工夫を凝らしたユニークな地域活性化が行われていることを知りました。まちづくり活動の方法に関して、より広く学んでいきたいという思いから地域プランニングコースに進みました。

2.どのような学生生活だったか

(1)授業、研究

 2年次必修授業のまちづくりインターンシップで、私は2人の仲間と共に約2週間、福井県鯖江市に滞在し活動しました。「農林産物のブランド化」と「都市農村交流の推進」をテーマに自分たちの目で課題を発見し解決策を提案しました。多くの農家の方々や住民の方々と接する機会があり、実際のまちづくりの現場を体験することができて、仲間2人との普段の共同生活も含め、とても充実し忘れられない2週間になりました。3年生からのゼミでは、地域の安全安心に焦点をおいた工学系のゼミに所属しました。入学当初から大学では幅広い知識を身に付けたいと思っていたので、文系でありながらもこのような分野に目を向け、新しい世界を見てみたいと思ったためです。卒業論文では、文系の人間として一住民目線でインフラの老朽化問題を画像処理機能を搭載した最新の光学顕微鏡を通して、インフラを形作る物質の姿をミクロ的な視点からも研究してみることで、地域目線の工学という新しい観点に立って検討を行っている所です。

(2)部活動その他

 中学生の時からやっていた楽器を続けるために、フィルハーモニー管弦楽団に入団しました。100人以上の団員が所属しており、学類問わず多くの友人や先輩、後輩に出会うことができました。毎日のように練習がある時期があったり、それでも練習不足でなかなか満足のいく演奏ができなかったりと苦しいこともたくさんありました。しかしその反面でこれまでに経験したことのなかった楽しみもたくさんありました。多くの仲間と意見を交わし合いながら曲を作り上げていくこと、指揮者・演奏者含めプロの方々に教えて頂ける機会が多くあったこと、1つの曲に時間をかけて向き合い作曲者の当時の心境や状況に考えを巡らすこと、演奏会だけでなくいろいろな場で演奏する機会があったこと、などサークル活動を通しての4年間で何にも代え難い経験ができたと思っています。

3.今後の進路(就職/進学)を決める上で役立ったと感じること

(1)進路を考えるに当たっての決め手

 2年生のときに市役所でインターンシップを経験したことが今の自分の進路の決め手になりました。公務員という仕事に対してかつてはお堅いイメージもありました。しかし市役所の職員の方々が実際に仕事をしているのを2週間近くで見ていて、決してそうではないということを強く感じました。公用車で地域を回っている際に住民の方々と親しげに挨拶を交わしていたり、お互いに名前も知っているような関係だったり。職員の方々は常に住民の方々の意見を聴き、どうしたらより住みやすく活気あるまちをつくることができるかに頭をひねっている姿が印象的でした。

(2)就職活動において役立った経験

 2週間のインターンシップで見聞き・経験したことや、日頃の座学で様々な視点から地域を勉強してきたことなどから、就職先を決めるまでに自分がやりたい仕事とはどのようなものかを具現化していくことができました。またサークル活動に限らず、その他にもアルバイト、趣味、課外活動などに関しては、自分がしたいと思うことがすぐにできる時間と体力があるのは大学時代だけだと思います。ふと挑戦してみたくなったことに実際に挑戦してみることで、自分は何に興味があって何が好きで何が得意で・・・といったように自分がどんな人間なのかがわかります。自分が何者なのかをわかっておくことは就職活動の面接準備をする際に大いに役立ちます。

4.就職活動中で苦労したこと

 私は3年生の冬頃までサークルにも参加していたため、公務員試験のための受験勉強とサークルを両立させなければいけなかった時期は苦労しました。また、幸いにもいくつかの1次試験に合格し、2次試験のために地方公務員に限らず国家公務員などいくつかの機関に面接に行く機会がありました。今まで地方公務員しか考えていなかったのですが、他の機関の職員の方々と顔を合わせ、実際に職場を見学させてもらったり、お話させてもらうことが何度もありました。その時期になって自分の興味がさまざまな方向に向きました。そのため2次試験を経て、最終的にどの機関の内定を受諾するか、と最後の最後になって1番悩みました。他機関との兼ね合わせもあり、内定が決まってから受諾するかどうかのお返事をするまでにそう時間は与えられません。贅沢な悩みといえども、時間がない中で多数の選択肢に心が揺れてしまい、毎日のように悩んだ時期が1番苦労した時期でもありました。

5.就職活動中にやっておけば良かったと感じたこと

 前記のような失敗をしないためには早い時期から、その時点で自分が興味を持っている仕事だけでなく、その他いろいろな仕事についても調べることをしておけばよかったと思います。自分はこんな仕事がしたい、と早いうちから気持ちが固まっていたとしても、調べてみると他に興味がそそられるような仕事や職場が必ずひとつはあります。他を差し置いてでも自分がやりたいことはこの職場にあるのか、と考える作業は1日では終わりません。早いうちからいろいろな仕事・職場に目を向け、どの機関(会社)がどのような特徴を持ちどのような人間が適しているのかを様々な方面から比較し、時間をかけて悩むことが大切だと思います。

6.後輩に向けてのアドバイス

 地域創造学類で経験したこと・大学生活で経験したことは一人ひとり異なると思いますが、どれもきっと今後の就職活動において武器になるものであると同時に、今後の人生において自慢できる経験だと思います。また、大学生のうちほど、体力があり自分で自由に使える時間がある時期はありません。勉強はもちろんですが、それ以外に自分の挑戦してみたいと思ったことにどんどん挑戦し、充実した4年間にしてほしいです。

7.受験生(または、入学希望者)へのアドバイス

 地域創造学類には自分がやりたいことがあるからここに入学した、という人がたくさんいます。ですが私が声を大にして言いたいのは、自分がやりたいことや、やりたい仕事が現時点で定まっていないという人がいれば、是非地域創造学類を視野に入れてほしいということです。マイナスなイメージでこの言葉を捉えてしまえばそれまでなのですが、私自身ここに自分の本当にやりたいことがあるとわかっていて入学したというわけではありません。高校時代、自分の興味や、やりたいことがおぼろげなまま大学に入学しました。ですがそんな人でも、ここには多くの人と関わる機会があり、幅広い分野の研究材料があるので、在学中に自分の興味が湧くものがきっと見つかると思います。

廣瀬敬さん(2014年卒業、環境共生コース)

新潟県新潟市出身
新潟県立新潟高等学校卒業
進路:商社

1.学類及び所属コースを選んだ理由

 高校生時代に祖父から渡された一冊の本が大きく自分に影響を与えました。環境問題について深く考えさせられる本で、そこから学んだことはどうやらこのまま経済発展が進むと、とんでもない環境問題が引き起こされると言う事で、戦慄を覚えました。より詳しく環境についての知識を獲得したいと思ったのと、人とは違った事をしたい人間だったせいもあってか、比較的新しい環境問題という分野は私にとってうってつけで、環境共生コースに進むことを決意しました。

2.どのような学生生活だったか

(1)授業

 ゼミに入ってからは特に、自然と共存した地域の発展、活性化について勉強致しました。卒業論文では、小水力発電がもたらす地域活性化について研究し、ヒアリングをしながら小水力発電導入が及ぼすその地域への影響を考えました。私の所属するゼミでは、再生可能エネルギーに限らず、環境政策、企業の環境への配慮、農業等、様々なテーマを学生は卒業論文のテーマにしており、大学でこういった事を勉強したいと言うのであれば、環境共生コースをお勧めします。

(2)サークル活動

 自分の進路を考える上で留学の経験は大きな影響を私に与えました。大学三年時の後期から四年時の前期にかけての一年間を豪州で語学留学しておりましたが、様々な留学生(学生だけに限らず、社会人も含む)の夢や価値観を聞き、大いに刺激を受けました。日本だけで働くのはもったいない、そうして海外にも目を向けるようになり、海外で仕事が出来る企業を中心に就職活動をしました。

3.今後の進路

(1)進路を考えるに当たっての決め手

 自分の進路を考える上で留学の経験は大きな影響を私に与えました。大学三年時の後期から四年時の前期にかけての一年間を豪州で語学留学しておりましたが、様々な留学生(学生だけに限らず、社会人も含む)の夢や価値観を聞き、大いに刺激を受けました。日本だけで働くのはもったいない、そうして海外にも目を向けるようになり、海外で仕事が出来る企業を中心に就職活動をしました。

(2)就職活動において役立った経験

 一年間の留学は大変貴重な経験でした。言葉や文化の違う異国の地でひとりで生き抜くことが出来たというのは大きな自信と繋がり、就職活動中も自信を持って相手と接することが出来たと思います。

4.就職活動で苦労したこと

 就職活動では、自分の勉強してきた事をいかに活かすかに苦労をしました。地域創造学類で学んだことは何も専門知識だけに限らずものの考え方までに及びます。研究対象が地域である為、机でデータとにらめっこをするより現地に赴きお話を伺ってくる事が優先されます。そのため、現場主義と言う考えが四年間の大学生活で身についたことは言うまでもなく、その考え方は仕事全般に通じ、自分をフットワークの軽い現場主義者であることを前面に押し出し就職活動を続けました。大学四年間の経験が就職活動に結びついたというわけです。

5.就職活動中にやっておけばよかったこと

 正確な自己分析です。特に、自分のしたいことと、自分の向いている分野とが一致するかどうか、もし一致していたとしてもそれを相手に分かりやすく説明できるか、これが就職活動では大事になってきます。自己分析とは自分を良く知ると言う事です、様々な方法がありますが、家族や友人に自分の評価を尋ねてみる事をお勧めします。

6.後輩に向けてのアドバイス

 全力で打ち込める事を探してください。スポーツや趣味や勉強、なんでもいいです。とにかく何か打ち込めるものを見つけないと、大学の四年間なんてアッと言う間です。貴重な四年間です。せっかく大学に進学できたわけですから、大学生活中にしかできない事にどんどん挑戦していってほしいです。

7.受験生(または、入学希望者)へのアドバイス

 偏差値だけではなく、どんな大学がいいのか、何を学びたいのか、それを学び将来どうしたいのか、とここまで考えられたら素晴らしいですが、なかなかイメージのしづらいものと思います。ですから、いろいろな分野にアンネナを張りましょう。勉強ももちろんですが、それだけじゃなく、様々な分野に関心を持ちましょう。自ずと自分のしたいことが見えてくるはずです。