地域創造学類ってこんなところ

宮下美羽さん(2019年入学)

 地域創造学類を志望した理由は、父の影響で「都市計画」に興味があり、かつ文系の学類だったからです。入学した当初は、漠然としたことを学習したり固い勉強をしたりすると思っていましたが、地域創造学類で学んでいくなかで、地域に密着して柔軟に学習していくことができると知りました。また、「地域」を対象とした学習をすることで、まちへの視点・視野が広がり多角的に本質を捉えることができると学びました。

 地域創造学類の特色は、地域のワークショップに参加するなどのフィールドワークが多いことと、ゼミが少人数であることから、教授やメンバーとの距離が近く意見を交流しやすいことだと思います。また、「まちづくり」に関する幅広い学習ができる環境が与えられているため、自分の興味次第で研究分野を広げることができます。そのため、地域創造学類では多種多様な研究が行われている印象です。

 金沢は、ほどよい地方都市であり可能性も課題も抱えている都市なので、地域を学習するうえで適した都市だと思っています。学業のほかに、部活やアルバイト・趣味なども謳歌し、充実した大学生活を送っています。ドライブや喫茶店巡りが趣味で、それらを通して金沢の良さを再発見しました。地域創造学類生として思うことは、金沢の学生には金沢のまちを積極的に歩くことで、自分のまちについて知ってほしいと思います。

篠崎将希さん(2018年入学)

 茨城県出身の私は、東日本大震災の経験から、再生可能エネルギーの関心を持つようになりました。もともと自然地理学や自動車にも興味があったことから、地域に根差した視点でエネルギーや交通の問題を考えたく、地域創造学類に進学しました。地域創造学類は、特定の領域に特化した学類ではないため研究の自由度が高く、こうした自らの興味関心を深掘りすることのできる研究環境があります。

 地域創造学類が他の学類と比べて特徴的な点は2点あると思います。1点目は、授業で学ぶ内容が日々の暮らしに直結する点です。例えば、「地域居住論」では私たちの暮らしである住居について、「地域資源活用論」では地域の資源が消費者である私たちの元へ流通してくる過程について学ぶことができます。

 2点目は、大学を飛び出し実際に地域に出て学ぶ機会が充実しているという点です。地域創造学類ではゼミに割り当てられる前から、フィールドワークの機会に恵まれています。石川県内だけでなく、県外、ときには海外も調査のフィールドになります。地域に出て、実際にその地域で暮らしている人々の話を聞きながら学べることは、大学で学んでいることが地域でどう生かされているのかを知れるという点で良いものだと思っています。

 最後に、地域創造学類は自分の「好き」を追究できる場所です。身の周りのことから興味や関心を広げておくことが、地域創造学類で学んでいくうえで重要になると思います。

濱嵜文音さん(2018年入学)

 『将来やりたいこと』を探していた受験生の時、金沢大学のホームページ上にあった地域創造学類という文字に目が留まりました。「地域創造学類って何だろう?何を学べるのだろう?」と思い、ここで自分が将来やりたいことを見つけようと決めました。実際に入学し、4年生になった今、地域創造学類では何を学んでいるのか、と聞かれると正直困ります。一言では言い表せない、本当に幅広い分野を学んでいるからです。

 私が思う地域創造学類の最大の魅力は、大学の外に出て研究を行うフィールドワークが多いことです。私が所属しているゼミは、毎週どこかしらの地域へ調査に出かけています。農作業の体験をしたり、住民の方への聞き取りをしたり、山で採れた食材を使った田舎ならではのご飯を頂いたりすることもあります。このように、地域を訪ねる機会が多いからこそ、新しい発見があり、あらゆる人とのつながりを築くことができました。様々なフィールドワークを通して、『北陸の農業に携わる仕事に就きたい』という、将来やりたいことも見つかりました。

 受験生で「大学で学びたいことが定まっていない、将来やりたいことが見つかっていない」という方は、地域創造学類がおすすめです。文理選択にとらわれることなく幅広い分野を学び、地域と関わる活動をしていく中で、自分がしたいことを見つけられる学類だからです。みなさんも地域創造学類で将来やりたいことを見つけませんか?

守屋 秋沙さん(2013年入学、環境共生コース)

 環境共生コースは私たちを取り巻く環境とそのかかわり方を学ぶコースです。「環境」という言葉を聞くと自然環境やエコ、生態系のようなものがすぐに思い浮かびますが、このコースの「環境」の概念には人間の住環境や地域に根差した伝統や文化なども含まれています。そのため「このような自然環境の特徴があるから、このような文化がこの土地に生まれた。だからこのようなアプローチをすれば良いのではないか」というように理系的な要素と文系的な要素を組み合わせて一連の流れを学ぶことができます。私は現在再生可能エネルギーに関連した地域自治に興味を持っており、実際に自然環境に関する理系的な知識と自治問題という文系で取り扱う問題両方がかかわってくるので、このコースで勉強することができて本当に良かったと感じています。また理系・文系に縛られずに学べることも魅力的ですが、何より先生たちがとても個性的でフレンドリーなこと、2年生の時から能登や白山市、富山県の施設などに見学に出かける機会が多くそれを通してコースのメンバーと仲良くなれることが最大の魅力だと思います。

栗原寿美鈴さん(2012年入学、福祉マネジメントコース)

 みなさんは「福祉」に対してどのようなイメージを持っていますか?多くの人は「介護や障がい」といった印象を抱くのではないでしょうか?私自身高校生の時はそのようなイメージを持っており、身近に感じることがなかなか出来ませんでした。しかし大学にきて学習をすすめるうちに、「福祉」は広い意味を持ち、またより身近であることが分かりました。例えば年金や医療保険。これらも本コースで学ぶことが出来ます。両方とも私たちに非常に身近なものであり、なくてはならないものですね。また本コースでは面接技術演習の一環として「人の話を聞くときの姿勢」についての授業もあります。どうでしょうか?みなさんが思っていた「福祉」とはまた違っていると思います。本コースは「福祉」がいかに自分自身に深く関わっているか、普段の生活になくてはならないものかを実感できる場所ではないかと思います。
 大学ではこのように様々な新しい発見があり、自分が想像していた以上にたくさんの気づきと出会うことができます。今、自分のやりたいことがはっきりしている人もまだまだ迷っている人も、大学にきてたくさんの人や出来事と出会うことによって新たな自分を発見することができると思います。大変だとは思いますが、受験勉強頑張ってください。きっと充実した大学生活が待っているはずです。応援しています。

木村み久さん(2012年入学、地域プランニングコース)

 「もっとたくさんの人に地元のことを知ってもらって、地元に来てほしい!そのために観光を中心としたまちづくりの勉強をしたい!」これが私の志望理由でした。しかし、実際に勉強するうちに私の興味は農業や農村、人々の暮らしへと変わっていきました。そして今、私は地域プランニングコース(以下、地プラとします)の農村地理学ゼミに所属しています。
 地域創造学類(以下、地創とします)は、地理学や地域社会学、健康栄養学、スポーツ経営学、福祉社会学など、幅広い学問の講義を受けることができます。講義の中には自分の興味関心とは遠いものもあるかと思いますし、学問体系に統一性がないように感じられるかもしれません。実際に他学類の学生には「何を勉強しているかわからない」ということをよく言われます。しかし、(特に地プラでは)学ぶ学問の幅が広い分、興味関心が変わってもそれに合わせた学習や研究ができる(=融通が利く)という利点があります。また、それほど幅広く学ぶということは、それだけ多くの視点が地創の学生に必要だということを意味しているのだと思います。将来的に「まちづくり」に携わるか否かは別としても、どこかしらの地域で暮らす以上、「地域」というものに目を向けることは必要だと思いますし、大学で学んだことのすべてを将来の仕事に繋げられなかったとしても、地創で学んだことは自分を豊かにしてくれることだとも思います。
 また、地創では「地域に出て学びなさい。」ということを言われますが、金大のサークルや地域のNPO法人等で地域に出るチャンスはたくさんあり、私も地域ボランティアや地域行事のスタッフをしています。団体に所属しなくとも、地域行事に参加すること自体とても楽しいことですし、そこで知り合った地域の方とのお話はおもしろかったり、とてもためになったりします。故郷を離れてひとりで暮らしている身としては、このような繋がりができたことで、この地域で暮らすことへの安心感が得られました。そして何より、地元だけではなくこの地域の方に恩返しができるようなお仕事がしたいと思い、勉強や地域活動へのモチベーションが向上しました。
 「何をしたいのか」自分でもわからなくなることもあるかと思います。それでも地創でなら、そのヒントや答えを見つけることができるのではないでしょうか。